Principia Discordia ペーパーバック – 2010/1/11
英語版 Malaclypse The Younger (著)
2007年版(ディスコルディアズムの年代で言う YOLD 3173年版)である。読もうと思えば無料で手に入る文書ではあるが、綺麗な書籍で持っておきたい向きには良いと思う。中には楽しいイラストが満載。エリス神崇拝のディスコルディアズム自体について知らない場合には、いきなりこれを読むのはつらいと思う。Prime Chaosを持っているならば4章 Liver Nice を読むのがかえって近道かもしれない。小説の形式で日本語で読みたい場合には、ロバート・シェイ&ロバート・A・ウィルスン(RAW)の小説、「ピラミッドからのぞく目」、「黄金の林檎」、「リヴァイアサン襲来」を読むべし。PRINCIPIA DISCORDIAの異なるバージョンについて知りたい方は下記のURLのビデオが参考になるだろう。(discordia.wikia.com/wiki/Discordipedia)
T.A.Z. 第2版 ― 一時的自律ゾーン、存在論的アナーキー、詩的テロリズム 単行本 – 2019/11/10 ハキム ベイ (著), Hakim Bey (その他), 箕輪 裕 (翻訳)
TAZ(Temporary Autonomous Zone)は、一時的かつ自律的な空間を創出する思想で、私(KSC)にとっては魔法円を描く行為そのものの再定義となった。
土地に一時的に開かれる空間=TAZと捉えることで、地霊とのコミュニケーションや儀式空間の設計にも深みが出る。
「所有せずに使う」「痕跡を残さない祝祭」といった発想は、現代魔術や自然との対話に取り組む者にとって非常に示唆的。
魔術実践や芸術行為に自由を持ち込みたい人におすすめ。
コスミック・トリガー: イリュミナティ最後の秘密 単行本 – 1994/4/1 ロバート・アントン ウィルソン (著), Robert Anton Wilson (原名), 武邑 光裕 (翻訳)
ピラミッドからのぞく目―イルミナティ 」、「黄金の林檎―イルミナティ」、および「リヴァイアサン襲来―イルミナティ」の三部作を読む前に読むべし。そしてその後もう一度本書を読むのがお勧め。この三部作はボリュームも大きく、読みにくい文体で書かれている上、要求される知識が膨大だけど、著者が意図したことはすべてここに書かれているので先に読んでおけば、ストレス無く物語を楽しめる。個人的にはエリス神崇拝とディスコーディアズムにケイオスマジック的な興味をもっていたので、その背景が知ることができたのが大きかった。シリウス星の謎やUFOコンタクティも面白いけど、魅力的な登場人物がいっぱい。日本ディスコーディアン協会ではこの本の研究会も開催中。
Inside a Magical Lodge: Group Ritual in the Western Tradition ペーパーバック – 1998/11/1 英語版 John Michael Greer (著)
この著者はシアトルの友人を介した間接的な知り合いで、所属ロッジも訪問したことがある。ロッジを立ち上げるときの実用的な面が、ロッジ内の物理的な配置から、シンボリズムの構成、税金の申告書の例やテンプレートなど実用的な面が事細かにまとめられている。他に同様の書籍を見たことがない実用書。メーソンであれオッド・フェローズであれ(私の場合はこういうものに触れたのはカナダと米国であったので、英国などは知らないのだけれど)国外ではそれほ特殊な物では無く、数もメンバーも多い。そういう実態を垣間見ることができるので、ただ興味があるだけの人にも面白い読み物だと思う。
Prime Chaos: Adventures in Chaos Magic ペーパーバック – 2017/9/7 英語版 Phil Hine (著), Grant Morrison (序論)
ディスコーディアンでケイオスマジックの魔術師、フィル・ハインの著書。ケイオスマジックについて概要を知るのにCondensed Chaosは良い本だと思ったが、本書を読みさらにそれを補完する良い本だと感じた。後半にあるグループを作るための章などはJohn Micharl GreerのIndide a magical lodge ほど頁を裂いていないけれど実用的だし参考になる。結局Kindle版の後に紙媒体もかってしまったのだけど、個人的に惹かれたのは興味があったエリス女神崇拝のディスコーディアとラヴクラフトのクトゥルー神話をベースにした魔術についての後半の章。Phill Heineにはこのラブクラフト魔術について別途まとめられたThe Pseudonomiconがある。
Condensed Chaos: An Introduction to Chaos Magic ペーパーバック – 2010/1/1 英語版 Phil Hine (著), Peter J. Carroll (はしがき)
ディスコーディアンでケイオスマジックの魔術師、フィル・ハインの著書。前半にケイオスマジックの歴史やシジル等の特徴について分かり易くまとめられている。最初にケイオスマジックについて知りたい向きには国書刊行会で邦訳が出ているPeter J CarrollのLiber Nullよりもむしろ分かり易いと思う。さらに読者が著者のPhil Hineのエンジニアリング的な部分が気に入れば一気に引き込まれると思う。COBOLやS.W.O.T.分析などの用語の出てくる魔術書など想像できなかった。ましてやSERVITOR PROGRAMMING LANGUAGEにいたっては、コンピュータ関連書籍を読んでいる気にさせられた。ただこの文脈で説明されてわかることが出来れば、願いをプログラミングするという概念を理解しやすいと思う。Kildle版を読んでから結局ペーパバック版を買ったのは、後半のガネーシャについて書かれた章が特に気に入ったから。グラント・モリソンのThe InvisiblesのなかでKing Mob が I WORSHIP A GOD WITH AN ELEPHANT HEAD!と叫んでいるのを思い出した。